旦那です。

結論から言うと、就活シリーズでずっと引っ張ってきたE社は落ちました!
でも別のG社ってとこに受かりました!

かなりE社には時間を割いていたし、人もすごく良さそうで働きたいなと思い始めていただけに、先週E社からお祈りメールが来た時は、
「あ、ハンガリーでも今後のご活躍をお祈りしています的なこと言うんや」とちょっと思いつつ盛大に心が折れましたが、

まぁ、なんにせよ無事に就活終了です。
どうにかなりました。

まぁあとは試用期間で切られないようにせんと。




このG社ですが、アメリカ発のベンチャー企業で、
サイトを使う一人一人の嗜好を分析し、
その人にあった広告を出したり、
その人が好きそうなお店を紹介したり、
まぁなんかそんなことをするソフトウェアを作っている会社です。

アメリカで成功した後、イギリス、ハンガリー、ロシアに支社を作り、
なんと最近日本に進出し始めたばかりということで、ちょうどITのできる日本人を探していたところにまんまと僕が応募して来たみたいです。

グループ全体で初の日本人だそうで、特にハンガリー支社には本当にハンガリー人しかいないそうで、
「これからは英語をしゃべらないとなー。お互い練習しようね」的なことを言うてました。

で、内定をとったら、「はいじゃあ来週から頑張ってね!!」というわけにはいかず、
実はこれからも、労働許可をとったり労働ビザをとったりと、しばらくは仕事をすることができません。
そこらへんもそのうち書いていこうと思います。







さて、無事に就活が終わったということで、
今回の就活を通して、海外で就職する上で、必要だなと感じたこととか、気付いたこととか、思ったことをまとめてみようと思います。
もし、海外で働きたいなと思っている方は、参考にしてみてください。
あくまでも、ハンガリーで就活したITエンジニアの体験がベースですが。


・海外でもそのまま通用するスキルを持ってるとめちゃ有利
例えば極端な話、美容師さんってはさみ一つあれば今すぐにでも海外で働けると思うんです。
もちろん会話は弾まないかもしれませんし、そんな簡単にはいかないと思いますけど、
スキルがある人は、何の後ろ盾なしに自分自身を売り込むことができます。

そして、その分野で秀でた人は、語学力が多少低くても採用される可能性があります。
世界一の美容師さんなら、話が通じなくても問題ないとお客さんは思うかもしれません。
もしかしたら、お客さんの方が頑張って美容師さんの言語を覚えてくる可能性だってあります。

逆に、例えば飛び込み営業の人なんかは、ほぼ完璧に近い語学力を求められると思います。
やっぱり、お客さんと接して信用してもらう必要がありますし、
この場合、営業マンの低い語学力の説明を、お客さんは頑張って理解する努力はしないと思います。

そういった点で、スキルには海外に持ち出したときに価値が下がってしまうものがあります。
そして、多くの場合、目減りした価値は語学力で埋める必要があります。


最近だと、この観点ではITが非常に有利な職種の一つだそうです。
IT用語は世界中で英語で概念も共通ですし、日本でもほとんど用語はカタカナですからね。
また、プログラミング言語という世界共通語を話せるわけですからね。
そういう意味でいくと、何カ国語もしゃべれる人と変わりません。

職種次第では、海外でも案外すぐに仕事が見つかるかもしれません。
海外志向のある学生の方は、最初の職場選びの参考にしてみてください。



・とにもかくにも英語をしゃべる勇気
まぁもうほんとにまずこれです。話をしないことには始まりません。

でも、「あかんわ、おれ英語喋られへんわ。てゆーかそれができたら苦労せんわ」と思ってる方が多いと思います。

もちろん、職種によっては求められる英語力って全然変わってくると思いますが、
例えば、お客さんとは直に接する機会がなく、オフィス内で同僚と打ち合わせができるだけの英語でよければ、
そんな英語って文法でも単語力でもなく、気合いと開き直りやと思ってます。
本当によく言われることですが、文法的に完璧な英語をしゃべる必要なんか全くありません。

僕はいつも英語をしゃべるとき、
「ネイティブでもなんでもないただの日本人が必死でカタコトの単語並べとんねんから、通じんかったらそれはもう聞いてるネイティブ側の責任」と思ってます。
その代わり、自分は伝わるように頑張ってしゃべります。

文法力や単語力あった方がいいのは確かですが、はじめはそんなんでいいと思います。

僕自身は英語の国で暮らしたこともありませんし、語学学校に行ったこともありませんし、もちろんインターナショナルスクール卒とかそんなことでもありません。
奥様がロシア人だった関係で、人より外国の方と接する機会が多かったので、そのとき頑張ってしゃべるようにしていただけです。
おそらく、英語をしゃべった時間は人生で100時間いきません。
でも、日常生活で困ることはありませんし、仕事だって見つかります。

そんなに難しいことではないんです。
しゃべってみると意外にしゃべれるもんです。
ただ、たぶん営業職とか、コンサルとかは無理です笑

適度なスキルと適度な語学力っていうのがコスパいいんじゃないでしょうか。



・英語の国より、英語以外の国のインターナショナル企業を狙え
「おれの英語は完璧。もうネイティブやで」って人には関係ないお話なんですが、
そうでない人にとっては、ノンネイティブとの会話の方が圧倒的に楽やと思います。
難しい単語もイディオムもあんまり使わないですし、会話が比較的ゆっくりで、簡単です。

どの国であれ、現地企業で働く場合、基本的には現地語が必須だと思いますが、
世界的な企業ではほとんどの場合、公用語が英語です。

こういった企業は、現地語ができなくても問題ありませんし、英語もネイティブレベルは求められませんし、お給料も待遇もいいですし、
日本と関わる仕事をしている場合が多く、日本人であること自体が重宝されたりします。

正直、日常会話レベルの英語力の場合、イギリスよりドイツの方が仕事見つかると思います。



・日本人ていうだけで仕事がある
上でもちらっと書きましたが、グローバル化の著しい現在、世界中のほとんどの国がなんらかの形で日本と関わっています。
特に、ハンガリーみたいな物価の安い国にとって、日本というのは上得意様です。
日本からしても、ハンガリーに発注すると割安感があります。

しかし、例えばハンガリーに住んでる日本人は1000人程度ですし、そのほとんどが日系企業の駐在や海外勤務として来ています。

つまり、ハンガリー企業にとっては、日本人が足りないんです。
ハンガリー語がしゃべれる日本人なら本当にすぐ仕事が見つかると思います。
これは、他の言語がしゃべれる人にも言えることで、英語以外の言語がしゃべれる日本人ってマジで強いと思います。

また、日本は世界から本当に愛されています。
誰でもたいてい「お寿司おいしいね」って言ってくれますし、「醤油はキッコーマンに限るよね」とかマニアックなこと知ってる人もいますし、ジブリなんか本当に世界中で有名です。
また、まじめで勤勉で良く働く国民性もマナーの良さも知れ渡っていますし、日本製品は相変わらず人気があります。
文化的に素晴らしい国だという印象も強いようで、日本に悪いイメージのある国なんかほとんどないんではないでしょうか。

本当に、日本人は日本人に生まれただけで勝ち組なんです。
今回の僕も、本当にラッキーでした。




・面接で重視する質問と答えが全然違う
例えば、「なぜ我が社なんですか?」的なことを聞かれた場合、
「はい、御社はやはり業界でも特にこういった特徴をお持ちで、そこに感銘を受けましたし、やりがいを感じます」だとか、
「御社のスローガンに惹かれました!また、面談していただいた社員の人たちも全員魅力的で、是非この雰囲気の中で働きたいです!」とか、
中途でも、友達やリクルートエージェントに聞いたところ、やっぱり
「今まで努めていた企業ではこういう業務をしていたのですが、もっとこういった分野に興味が出てきたので、そういった点が強い御社に転職して働きたいと思いました」的なことを言うみたいですね。

そして、そういった気概的なものやこれだけ調べました感がそれなりに重視されたりするようです。
新卒採用なんかそこだけしか見てないと思います。
もちろん職種や企業によると思いますが。


ハンガリーでは、僕は常にこう答えていました。
「妻の仕事の関係で僕が仕事を辞めてハンガリーに移住することになりました。エンジニアとしてのキャリアを続けたかったので、そういった職を探したところ、いくつかの会社が見つかりました。この会社は候補の一つです」
先方の反応はどこも「そっかそっか。じゃあまずはうちの会社の説明をしよう!うちは〜(説明)な感じの会社だよ。もしよければうちを選んでよ!じゃあ肝心のテクニカル部分の試験面接始めるよ!」的なもので、
要は、志望理由なんか何だって構わない、うちを知らなくたっていい、君がスキルがあるなら雇うし、お金を払うよというものです。

なので、日本で聞かれるようなことはほとんど聞かれませんでした。

けっこー文化の違いを感じました。



・英語でのテクニカル面接がグロい
日本で中途採用の面接受けたことないんで正確にはわからないんですが、
日本って、例えばITエンジニアとして就職する場合でも、テクニカル面接ってあんまないですよね?

ある?

海外だと、ITエンジニアだと、ほぼ間違いなくテクニカル面接があります。
たいていの面接では、だいたい1時間に渡ってjavaやoracle、linuxなどについて矢継ぎ早に質問されましたし、
事前にプログラミング課題を解いて提出したり、
面接に行ったらその場でプログラムの筆記試験をさせられたり、そんな感じです。

で、何がグロいかというお話なんですが、
マニアックな専門知識聞かれたりするのもそうなんですが、
英語で専門用語をしゃべらないとダメなのが難しいです。

IT業界ではほとんどの用語が英語だとはいえ、やはり普段しゃべったことがなければいざというときに喋れないもんです。

特に、IT業界って擬音語とか擬人化とか独自の表現がめっちゃ多くないですか?
「エラー吐いた」とか、
「この処理がもっさりなんですよねーどうやったらサクサクするかなー」とか、
「さらっとスクリプト流しといてー」とか、
「あーそれな、それおれもハマった」とか。

こいつらを英語に訳すのがシロートにはけっこうきついんです。

システムの設計会議とかってこんな言葉が飛び交ってますけど、あれをニュアンスまで訳すには、
事前に練習したりどの単語使えばいいのか検討つけとかないと、けっこう厳しいです。
 

ITに限らず、自分が普段しゃべっとることって英語でなんて言うんやろうってシミュレーションしてみるといいかもしれないですね。



・夏休みに就活したらあかん
ヨーロッパ人は、とてもちゃんと夏休みをとります。
だいたい、国にも職種にもよりますが、7月から8月にかけて7日〜20日ぐらい休みをとるみたいですね。
この予定は全てに優先されるため、お客さんすら放置します。
当然、この間の採用活動は止まります。

まず、自分の担当人事がバカンス行くと止まります。
次に、自分を採用しようとしているプロジェクトのリーダーがバカンス行くと止まります。
そして、人事決裁権のある人がバカンス行くと止まります。

彼らの休みが被ってればいいんですが、たいていバラバラなので、1回の面接の返事をもらうのにだいたい1週間〜3週間かかります。
マジで忘れた頃に返事が来ます。こっちは落ちたもんとして次の企業探してたりするのに、普通に通過やったりするから笑います。

おそらく、同じことがクリスマスと新年前後にも起こると思います。
もし、会社辞めてから仕事探す場合は、8月まで日本で働いてから来た方がいいですよ!



・就活サイトを見るよりは、知り合いを作ろう!
これはハンガリー以外にもいろんな国の友達から聞きましたが、
特に、いわゆる先進国ではない国においては、どうも人脈を探すことが最大の就活のようです。

僕がハンガリー語の学校に行き出したのは、そのためもあります。
案の定、ハンガリー人の友人を作ることができ、彼らに仕事を紹介してもらえることもありました。

大企業では、さすがに選考プロセスは正面から応募したものと同じでしたが、
中小企業以下では、圧倒的に従業員の推薦で仕事が決まることが多いそうです。
また、場合によっては面接もめっちゃ緩いとか。

このルートの場合、現地語を話せる必要が多少ありますが、
僕の場合は、「とにかく日本語がしゃべれる人がほしい。あとはどうでもいい」という求人を紹介してもらったこともあります。

あと、リクルートエージェントは、就職させてなんぼなので、
現地語のしゃべれない人には不親切な感がありました。

最初の方に書いたFさんは本当に良い人で、就活中相談にも載ってもらい、プライベートでも飲みにいく仲ですが、
基本的には、彼以外のエージェントには、僕は見捨てられました。
まぁそんなもんです。


・Linked-inを使おう
以前にもちらっと紹介しましたが、Linked-inは世界中でとても使われています。
最近では、日本でもかなり使われ出したようで、僕も月に1人ぐらいはエージェント関係の方から連絡をいただきます。
Linked-in


Linked-inでは、企業の求人を調べて応募することもできますし、プロフィールを見てお誘いをいただける企業もありました。
また、現地の就活サイトはたいてい現地語であるため、とてもgoogle翻訳さんのお世話になって辛いのですが、
Linked-inでは日本語が使えます。
これはけっこうでかい。

何を隠そう、G社はLinked-inで見つけてアプローチして採用につながりました。




・ どうにかなる
どうにかなります。
頑張れば、どうにかなります。


 

・ 戦績
長くなってしまいましたが、最後に僕の今回の就活での戦績をまとめます。

- 期間:2ヶ月
- 応募数:26
- 返事来なかったの:15
- ハンガリー語ができないからあかんと落とされたの:5
- 経験不足・スキル不足で落とされたの:3
- 面接まで行ったの:3
- 最終面接まで行ったの:2



やっぱり慣れない国で慣れないことやったもんで、心が折れかけました。
せっかちな僕にとって、2ヶ月が一つの心理的な限界でした。

もうしばらく就活はいいや笑