グロ担当の旦那サマにかわりましてインテリ担当の奥様です。
因みにグロい写真は全て奥様が撮りました。
奥様はグロにあまり強くないので肝心の豚殺しの瞬間とかは 10メートルぐらい離れて
遠目に見てました。 赤ちゃんと一緒に。
旦那様が記載しこぼしているカルチャーの話をちょろちょろっといきます。
グロ画像は出てきません。
今回は丸々二日つきっきりで地元の人がガイドについてくれたんだけど、
この人の本職はなんと考古学者。
ただのフツーのハンガリーの村かと思えば、 ザクザクと出てくるいろんなお話。
例えば、この家、何年前にたてられたと思う?ときかれ、
70年ぐらい前かなぁ?と言うと、 なんと正解は500年前!Σ(゚д゚;)
もちろん、改修はしているでしょうから原型がという意味なんだけど、
それでも日本でいえば戦国時代からの家がそこにふつーに建っていることになる。すごい
もともとこの村は12世紀ぐらいにハンガリーにやってきたドイツ人が たてたとのことで。
その時のドイツ語が当時のまま缶詰化され、村の方言になっている。
「ワインを1杯下さい」と言うところを
「葡萄酒の盃をくれたまへ」と今でも言っているかんじか。
使用できる場所がこの村に限られるため、この方言を操れるのは
今やこの考古学者さんだけになってしまった絶滅危惧種。
もちろん、教会にもいきました。
苔むしたいいかんじの教会です。
これも13世紀ぐらいに建てられ、モンゴル人に制服された(←日本の元寇と同じ)
歴史をとどめています。↓モンゴル人の頭の模様が入っている。
ほーほー
横で旦那サマが木にのぼってます。
豚殺し現場もチーズ農家も教会も何でもオールマイティーに案内していた考古学者さんが
夜にワインセラーにいこうと言ってくれたので、.。゚+.(・∀・)゚+.゚
ワイン博物館みたいなのを想像していると、 連れてこられたのはさびれたまちはずれの小山…
に鍵のかかった柵。 柵の鍵をあけ、とびらを開き、地下におりていくと
そこは迷路のようなワインセラー!
完全、ロウソクの灯りのみで照らされる暗闇の中、試飲スタート♫
ロウソクとワインの瓶を囲み立ち飲み形式で飲んでいく。 村のワイン、激うま!
このワインセラーは8つの家族で管理していて (迷路が8つのセラーに別れている)
そのうち一人がこの考古学者さん!
しかもワインセラーを持ってるだけじゃなくて葡萄畑の管理もしていて
ワインまで作っているという。 どこまで多才なんだ!Σヾ( ̄0 ̄;ノ
「自分の先祖が代々ワインを作っていたので引き継いで後世に残したかった」 とのこと。
ワインの瓶を4本ほどあけたところでロウソクを持ってワインセラー内を探索することになった。
天井が崩れ落ちた行き止まりあり
コウモリさんあり
昔ここの管理をしていて、今は亡くなっているおばあちゃんが 愛用していたワイン瓶とグラスが
そのまま残されている棚あり (激しいクモの巣と得体の知れないカビに浸食されていた)
でも一番面白かったのはワインセラーの天井から下がるフック。
1950年代にハンガリーで社会主義が台頭し、 まちの人に食料を安く提供するため
村の人は重い税金を課せられたらしい。
このフックは税金を逃れるため、秘密に豚さん殺しをワインセラーで行い、
豚さんを密かに解体するためのフックだったのだー
ワインセラー内でこの作業をしていたということですね↓
もちろん、これ全部考古学者さんのお話。 別れる間際までずっと歴史の話をしていた。
というか考古学者さんのおうちの敷地内に泊まっていたので帰る間際で立ち話。
考古学者さんは暇があると(この人に暇はあるのか?!)
文献を調査して村の歴史を調べているらしい。
名字からたどっていけるらしくて、けっこう洗い出せるみたい。
例えば、村をたてたドイツ人が貧しい騎士で、
今やこの村の半分以上がこの騎士の親戚に当たるとか。(すごい繁殖力)
例えば、私たちのハンガリー人の友達が貴族の出身でお城を所有していたとか(
お姫さまだったとは!)
中学校の時の先生の話で「何のために勉強をするのか?」というのを思い出しました。
一つの答えは「人生を面白く生きるため」
知識のない人が通り過ぎてしまうところを
知識のある人は立ち止まって、考え、観察し、感銘を受けるということです。
例えば、”タダの”教会にしか見えないところを
知識があればその建築様式を観察し、歴史を感じ、当時の思想に思いを馳せ…
といろんな方向から楽しめるということです。
今回はそれを改めて思い出しました。
このガイド兼ワインセラーのオーナー兼考古学者さんの連絡先をきいてきたので
これを読んで行ってみたくなった方はご連絡下さい〜
(英語、ドイツ語、ハンガリー語対応してます)