その1の続き。
ちなみに、はい、スランプです。筆が進みません。
なんとか絞りだします!



さて、夜行列車に乗るためにやってきたのはレニングラード駅。

このレニングラードっていうのは、今から向かうサンクト・ペテルブルグのソ連時代の名前です。
ようはモスクワにサンクト・ペテルブルグ駅という名前の駅があるということです。

いや待てよと。
普通に考えると、東京にあるのは東京駅やし、大阪にあるのは大阪駅やん。
東京に大阪駅ないやん。

でもこれがロシア流です。
たぶんですけど、長距離列車の到着駅があり過ぎて、逆に駅名を行き先にして区別してるんです。
他にも、ベラルーシ駅、キエフ駅とかいろいろあります。



駅につくと、大量にあるホームに夜行列車がドーンと到着してます。
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ちなみにこのレニングラード駅からサンクト・ペテルブルグに向かう夜行列車はマジで本数が多くて、
僕らの列車のすぐ15分後にも別の列車が出発という感じでした。
どんだけ移動するねんロシア人。

で、各車両の入口前で恐そうに改札をしとるおばちゃんに
あらかじめプリントアウトしておいた予約券とパスポートを見せて乗り込みます。

車内はこんな感じ。
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これは一番安いグレードの席で、
通路のすぐ横に沿うようにして上下2席(写真右側)、
逆側にボックス席みたいな感じで、上下合わせて4席(写真左側)の6席が1つのブロックでそれがどんどん並んでる感じです。
席というか、ベッドですね。
これが片道4000円ぐらい。
ちゃんとベッドで寝れるしお得やんね。

もう1つグレードの高い席なら、ドアがあって個室になっとって、中に4ベッドぐらいあります。たしか。
一回使ったことありますけど、正直あんまりグレードをあげる必要はないと思います。どうせ寝とるし。

で、席にはまくらとまくらカバー、敷布団、シーツ×2が置いてあるので、
自分の席を見つけた人からベッドメーキングに入ります。
掛け布団はないんですが、2枚目のシーツを掛け布団みたいに使います。

こんな感じ。
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スーツケースとか荷物は、
ベッドの上にある物置きスペースとか、下段の席の下にある収納スペースにしまいます。

ベッドを作り終えると、たいていロシア人のみんなは軽くおしゃべりを始めます。
シベリア鉄道とかでもそうみたいですけど、
ロシア人は長ーい電車移動中にはけっこう初対面の人とペラペラしゃべって交流します。


そうこうしとる間に電車はゆったりと出発して、明かりも消されて、みんなは徐々に寝始める感じ。

ここで、「さーて寝る前にトイレ行こか」と思ってトイレに行くのは素人です。
車両の両端にあるのですが、ドアは開けようとしても開きません。
これ僕も最初ロシア来たときはびっくりしたんですが、
なんで開かへんかというと、
ロシアの夜行列車のトイレは、なんとそのまま地面に捨てる方式をとっているので、
街中を走行している間はトイレを閉めてしまうんですね。

出発してすぐはまだ街中なんで、モスクワの郊外とかを抜けるまでトイレが使えません。
乗る前に行っとくことをおすすめします。


で、みんな寝始めるんですが、
寝る前にたいていみんなシーツにくるまって、
ズボン脱いで、下はパンツだけになります。これはなんと女の人も!
で、男は上も脱いでパンツ1枚になっとったりします。

ズボンなんか履いとったらぐっすり寝れるわけないやないかということなんですね。
彼らはためらいなく寝やすさを優先してきます。

僕らもズボンを脱いで就寝。
寝てる間に600キロ移動して起きたらサンクト・ペテルブルグのはずです。


途中何回か脱線待ったなし級の縦揺れに起こされたものの、
割とぐっすり寝れて、結局サンクト・ペテルブルグのホームに着くまで寝てました。

今回は逃しましたが、もう少し早く起きると、車掌さんからなんか50円かそれぐらいで紅茶をカップで買って飲めます。


さて、モスクワを出たのが9時半ぐらいで、ぺテルに着いたのが6時前ぐらい!
もちろん到着駅の名前はモスクワ駅ですね。
奥様の父方の親戚のおうちが近いので、そこまで歩いていきます。

このときは8月でしたが、早朝の気温は10度以下でめっちゃ寒いです。さすがロシア。

だいたいサンクト・ペテルブルグはモスクワより北にあって、ほぼ白夜ぐらい緯度が高いところです。
東京の緯度が35度、日本最北端の稚内が45度なのに対し、サンクト・ペテルブルグの緯度はなんと60度!
そら寒いわ。
もうなんというか、海に近いので風が湿り気を帯びていて、もう完全に北極の風が吹いてます。
つい先日まで砂漠の風に吹かれて汗ダラダラやったのに、ロシア来るとこうも寒いですか。そうですか。

以前夏に来たときは暑かったこともあって、油断してサンダル、短パン、半袖にパーカーで来てました。

親戚のおうちに到着すると、玄関で出迎えてくれて、
僕を見た第一声が「まーた薄着で来て!」でした。


いやね、でもね、これはこっち来てからけっこう思うんですけど、
ヨーロッパの人って寒さに過敏なところがあるというか、弱っちいと思うんですよね、僕は!

なんかハンガリーでもロシアでも、
確かに寒いけど、そこまでは寒ないやろぐらいの秋ぐらいのときから
ぶっ厚いコートとかダウン出してきて「あー寒いーあー寒いー」言うて着込んで、
すーぐに手袋して帽子とか被り出して、ほんまに寒さに耐性がありません。
冬本番になったら、中にも大量の服を着込んで、
「寒いー寒いーなんでこんなに寒いー私たち寒くてかわいそう」
みたいなそんな感じでブルブルしてます。
子供なんかもっといろいろ着せられてます。

日本なんか「子供は風の子!外で遊んで来い!」言われて、
冬でも短パンで走りまわっとる子とかいますよね。

いや確かに日本はマイナスにはならんかもしれんし、

一番寒いときはそらヨーロッパの方が寒いんでしょうよ。

でもそれでもちょっと過保護過ぎるわと思います。

そんでもって「あー寒い。あー不幸。あー夏が恋しい」みたいな感じになっとって、

冬を楽しもうという気が全くありません。

街にでかけたら分かりますけど、マジでみんなどこ行ったん?ってぐらい人がいません。

そんな軟弱なもんで生きていけるかぃ!

と僕は思います。
ただ、短パンサンダルは確かに寒いです。行く予定の人はもう少し着てください。


さて、親戚のおうちで一休みして街にでかけます。

サンクト・ペテルブルグといえば、一番有名なのはネフスキー通りです。
これがメインストリートで、まぁこれに沿って歩いとけば勝手に見所が見つかります。

血の上の教会とか
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エルミタージュ美術館とか


ライオンの橋とか
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いろいろあります。


これお土産やさん。
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ロシアはマジで各方面の芸術に秀でている国やと思います。
特にオススメはモスクワよりここサンクト・ペテルブルグ。

古都だけあって建物にも風情がありますし、歴史的建造物も多いですし、

町には芸術的要素が溢れ帰ってます。

エルミタージュ美術館なんかは1日では絶対見切れないボリュームがあります。
あとロシアと言えば文学もありますし、プーシキンとかはペテル出身です。

なので、マジで人によっては時間があってもあっても足りない町です。

僕らの愛読書「地球の歩き方」もロシア編はきっとロシアマニアの人が書いたんでしょうか、
他の国のものと比べて質が高すぎます。
数十ページにおよぶロシアの歴史と文化に対する補足は読み応えがあります。
冒頭に、「未だにロシアは共産主義的なお堅くて暗い国やと思っとるならもうこんな解説読まんでえぇから今すぐこの本を閉じてロシアに行け」という旨の文章が書いてあります。

しかーし!!当の旦那はそんなもん興味ありません!
エルミタージュ美術館も一回行きましたが、1日かかるどころか2時間ぐらいで出ました。
ロシア文学も奥様と付き合ったときに感化されて罪と罰読んだだけです。
同じドストエフスキーの賭博者という小説もギャンブル好きなので気になって読み始めましたが、
これが意外と麻雀放浪記のような手に汗握るギャンブル小説で、
というはずもなく、
最初の数十ページ読んで全然賭博しないんで読むのやめました。

なので、芸術面をレポートさせるにはマジで役立たずなので、思い切ってもう説明しないことにしましょう!!
だいたいこのその2の執筆が遅れたのは、ロシアの有り余る芸術をなんとかレポートしないとという
できもしないことに悩んでいたからで、
もうそんなもんは写真だけテキトーに貼っといて好きな人は現地で見てください形式にして、
旦那の大好きなロシアのオススメファーストフード、ブリヌィを紹介しましょう。
そうしましょう。それがいい。

えーこのブリヌィというのは何かというと、基本的にはクレープやと思ってください!
こんなん。

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丸く焼いたクレープっぽい記事の上に具材を乗っけてくるくる巻いて食う、まぁそういうことなんですが、
ロシアではデザート的な具材はもちろん、ちゃんとごはんとして成立するような肉とか魚とかきのことかチーズも入れます。

サーモン+いくら+スメタナ+きのことか、
そぼろ肉+チーズ+ポテトとか、
そんな感じで自由にトッピングを選ぶと目の前で焼いてくれます。

これがマジでうまい!僕の好きなロシア料理No.1はこれです。
Чайная Лошка(ティースプーンという意味)というチェーン店があるんですが、
ここがオススメです。
ただ、英語メニューすら無い店舗がほとんど+トッピング選べるという自由度とのトレードオフで店員との会話がないと注文できない+ロシア人恐いというハードルの高さがありますが、
あのー食べたいという強い気持ちでなんとか乗り切ってください。
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ちなみにロシアでは2月頃に春の訪れを祝ってこのブリヌィを食べます。

僕も毎春奥様の実家でこれ食べさせてもらってました。
ちなみにロシアの2月は余裕で冬です。日本でもまだ冬ですもんね。
小さい春が見つからないとかそういうレベルじゃないです。マイナス20度とかです。

でももう先に祝っちゃうんですね!気分だけでも春ですわ!

で、しれっとスメタナとか書きましたけどこれはロシアで人気の乳製品で
サワークリームが感じとしては一番似てるんですが、
もう人気というかなんやろ、
日本人でいうところのしょうゆ、
ハンガリー人でいうところのパプリカ、
そんな感じでかなりの頻度で登場します。ちなみにボルシチにも入れます。ちなみに、ボルシチはウクライナ発祥です。


ロシア風水餃子のペリメニとかにも合いますね!ペリメニ!

あーもう書くと長くなるんで書く予定なかったんですけどもう思わずペリメニでたからついでに説明してまうと、
これは上にも書いたようにロシア風水餃子で、中に入っとるのは基本肉のみです。煮て出汁が出たスープに浸かってでてきたりもします。
これなんですけど。
perimeni











え、でも結局なんか普通の餃子ちゃうん?と思うかもしれませんが、これがめっちゃうまいんですよ。

その秘密が豊富なソーストッピングなんですね。

どんなソースがあるのかというと、
まず、さっきも言いましたけどスメタナ。
これが定番なんですよね。ロシアの味って感じです。まぁ普通これですわ。

次に酢。まぁ餃子のタレも酢入ってますからね。想像つくと思います。うまいですわこれも。


で、他にもいろいろ合って、せっかくなんで紹介しとこう!

醤油+わさび
まぁ日本人なら彼らは誰とも喧嘩しない最強コンビということをもう存分に知っとると思うんですが、
すごいですね彼らのコミュ力は。はるか国境を超えてロシア料理とも喧嘩しません。
いや、もう喧嘩しないどころか僕の口の中で親友かのように仲良くしてます。
完全にうまいです。おすすめです。
ただロシアではあのケチャップで有名なHeinzが出している醤油なるしょーもない名前だけの醤油が出回っているので気をつけてください。
こいつはまずわさびと喧嘩します。
マジでHeinzはやり直してください。

マスタード
まぁちょっともうマスタードというと定番過ぎてずるいところもありますが、やっぱり当然のようにおいしいです。
あのー、あんまり餃子にはマスタードつけないと思うんですが、点心にはつけるじゃないですか。
あんな感じですよ。うまい。


で、次が日本に移住した奥様の家族による世紀の発見というか、

マジでこれノーベル賞ものの発見やと思うんですが、

ペリメニのソースから正解を一つ選ぶとしたらこれやろなというのがあります。

それが、

エバラ 焼き肉のタレ 中辛
これ。まさにロシアから日本に引っ越してきて20年の奥様一家でないとたどり着けない結論がこれです。
ペリメニとの組み合わせでこれを超えてくるやつはありません。マジでうまい。
ロシアの水餃子が日本の焼肉のタレと出会うという奇跡を楽しんでください。
運命ってこういうこと。ラブロマンス。もう映画化。



ふー。まぁこんな感じで、ブリヌィの話から連鎖してスメタナ、ペリメニと説明してきたわけですが、
あのー、なんやろ、なんというかおれも感じとるで!
おれのこのハイテンションな説明に対して、読者の方たちの冷ややかな感じ、想像つくで!
おそらくソーストッピングの話とかマジでどうでもいいというか
言われてもわからんわという声が聞こえてきそうですが、
そんな人はもうこのブログ読まんでえぇからエバラのタレもってロシアに今すぐ行ってください!




その3に続く。