旦那です。

インスブルックを出発して山間の道を抜けて目指すはリヒテンシュタインです。

奥さんも書いてますけど、 リヒテンシュタインは世界で6番目に小さい国で、

なんとサイズとしては日本の小豆島と同じぐらいという小さな国。 
南北に25キロ、東西に6キロというサイズ感です。 


今回はこの国にあのルパンのカリオストロの城のモデルになったリヒテンシュタイン城と、

未だにリヒテンシュタイン公爵が住んどるというファドゥーツ城、

そしてリヒテンシュタインのワインを仕入れるべく、

王室ワイナリーを観光するのが目的です。


特に目玉はリヒテンシュタイン城!


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この城のモデルとか言われたら心躍りますよね!

なんか不幸にも事前に調査していたリヒテンシュタイン城の場所のメモが写し間違えたらしく

ナビに入れてもドイツの中を指すので、

まぁ現地に着いてから情報を仕入れればいいかと思い、

まずはワイナリーを目指します。


このワイナリーとファドゥーツ城はすぐ近くなので、

まぁこの二つを先行ってから メインのリヒテンシュタイン城に行こうという計画です。

そんな計画をひっさげ、道中をぶっ飛ばします。


リヒテンシュタインはオーストリアとスイスの間にあって、

山岳地帯のど真ん中にあるので、道中の景色もこんな感じの絶景。

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こんな奇麗な雪山の中を2時間ほど行くと、

着きましたリヒテンシュタイン!!  バックにそびえたつ雪山と青々とした田園。

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そして「ようこそリヒテンシュタインへ」みたいなラフな看板。DSC00086
















国土は全体的に草原か山です。 

公用語はドイツ語ですが、通貨はスイスフランで、
軍事防衛はスイスに委託、

民法はオーストリアをお手本に、刑法はスイスをお手本にというそんな国です!

ちなみにおみやげ屋さんに並んでいるグッズにもスイスの国旗が描いてあったりして、
おみやげもスイスに委託してました!
 

タックスヘイブンとしてやっている国らしく、人口の数よりも会社の数が多いらしいです。

ちなみに人口は3万4千人。


で、この法人税が歳入の40%をしめていて、

その恩恵から、 リヒテンシュタインでは所得税や相続税がありません!ウヒョー


入国して15分ほどでワイナリーに到着です。

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ワイナリーはおしゃれな建物でした。

中にはフランスやイタリアなど、各国のワインが取り揃えられていて、

テイスティングもやっているとのことなんですが、残念ながら車移動の僕らは断念して、

リヒテンシュタインのワインを1本購入して立ち去ります。

これがリヒテンシュタインのワイン。
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このワイナリーではこの1種類しかリヒテンシュタインのワインはないとのことでした。  

因みに、リヒテンシュタインワインは国の面積が小さいこともありかなりレアらしい!


で、そやそや、ワイナリーのおばちゃんについでに

リヒテンシュタイン城の行き方聞こうということで聞いてみる奥様。


奥様「お城ってどうやって行くんですか?」

おばちゃん「ん?ファドゥーツ城?」

奥様「いえ、それじゃなくてもう一つの方です。お城の中に入りたいんですけど」

おばちゃん「リヒテンシュタインには城は1つしかないわよ。中にも入れないわよ」

おれ(あーこのおばちゃん何か勘違いしとるな。まぁ後でレストランでWi-Fiつないで調べよ)

おばちゃん「ファドゥーツ城ならワイナリーでて右曲がって持つ議を曲がってまっすぐよ。すぐよ」

おれ•奥様「ありがとうございます」


なんかここでは情報が仕入れられませんでしたが、

まぁじゃあおばちゃんの教えてくれた通りファドゥーツ城行くかということで行きます。


またこれも3分ぐらい走ればつきました。

というか、ワイナリーから普通に見えてました。


ファドゥーツ城はファドゥーツの町の上にある小高い丘というか崖の上にあって、

さっきも言うたようにリヒテンシュタイン公爵が住んでいるので入ることができません。

お近くまで行って人んちの写真を撮ります。 こんな感じ。

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なんかそんなめちゃくちゃ大きくなくて、ちょうどいいサイズの城で、

センスのいい外観してます。

なんか窓越しに誰かが廊下を歩いて横切るのが見えたりします。

リヒテンシュタイン公爵かな。

城自体は丘の上にあるので、景色もめちゃくちゃいいです。


雪の積もった山と雰囲気のある城、

そして緑の草原というコントラストはほんまに物語の世界です。


そんなこんなでファドゥーツ城を見たので、

リヒテンシュタイン料理を試す兼Wi-Fiを求めてファドゥーツのレストランに行きます。


ファドゥーツの町を歩いていてびっくりしたんですが、

アジア系の顔つきの人がかなりの割合でいます。 旅行者じゃなくて、住んでる人です!

例えば、レストランのウェイターが中国系の人でした。

中国人の世界進出はまさかのリヒテンシュタインにも及んどったんですね。


リヒテンシュタイン料理はなんかドイツ料理とかスイス料理とあんまりかわらんみたいでしたが、

なんかパンケーキを短冊切りにしてスープにぶっ込んだやつや、

ちょっと団子っぽいパスタにチーズとリンゴジャムかけたやつとかがありました。

特別独特な味ってわけではなく、ごく普通のヨーロッパ料理って感じ。


さて、ご飯を食べるとリヒテンシュタインの最終ボス、

リヒテンシュタイン城の位置を検索してメモります。

ほんま町のレストランでWi-Fiが使えるとか便利な世の中になりましたよね。

これもテスラさんのおかげですよ!


さて、車に戻ってナビに位置情報を入力します。

しかーし!

またしても表示された場所はドイツの中。


あれかなー、サイトに書いてあった情報が間違いなんかな。


いや、ヨーロッパ旅行しとるとよくあるんですよてきとーな位置情報が書いてあること。

サイトに書いてあった情報入れたら草原の真ん中とか、

雪山の頂上とか、そんなんしょっちょうです。


しゃーないな、町のインフォメーション行って聞くかということで走って聞きにいきます。

インフォメーションセンターでおばちゃん捕まえて聞きます。


おれ「あのーリヒテンシュタイン城ってどこですか?」

おばちゃん「ん?ファドゥーツ城?すぐこの裏の崖の上やで」

おれ「いや、それじゃなくて、もういっこの方です。これ(サイトを見せる)」





おばちゃん「………………」







おばちゃん「何この城?」


おれ「えっ」

 

おばちゃん「リヒテンシュタインには城は一つしかないよ。ファドゥーツ城」

おれ「えっ、いやでもほら!この城の名前Lichtenstein城って…」

おばちゃん「ほんまやね……ん?これちゃうで。リヒテンシュタインはLiechtensteinで、

この城はLichtenstein城やで。スペルがちゃうで」 

おれ「えっ」

おれ「ほんまやん。これ、ほんまにドイツやん!」




えー、リヒテンシュタイン城はドイツでした。




日本語ではどっちもリヒテンシュタインですが、ドイツ語ではスペルが違いました。

まんまと罠にハマりました。

なので、ナビは合っとったんです!

リヒテンシュタイン城はドイツです!

大事なことなのでもういっかい言いますけど、


リヒテンシュタイン城はドイツにあります!!


早速車に帰って奥様に報告するわたくし。


おれ「リヒテンシュタイン城、ドイツやった」

奥様「えっ」

おれ「試しに何時間かかるか見てみるか」

ナビ「2時間半です」

このとき時刻は2時半で、城は5時半まで。


おれ「微妙な距離やなー」

おれ「しかも今日の宿の予定地より遥かに北に移動して、

その後宿まで戻ってこなあかん上に、

明日はまた北に行くというアホみたいなことすんのいややなー」

おれ「どうしよっか?」

奥様「……」

奥様「チューリッヒ行く?」

おれ「えっ」

奥様「チューリッヒ試しに入れてみよ」

ナビ「1時間半です」

奥様「今日はチューリッヒ行って、明日朝早くでてそのリヒテンシュタイン城見て、

そっから次の目的地行くのはどう?」

おれ「時間的に可能かナビで見てみるか」

ナビ「いけまっせ」

おれ「ほなそうするか!チューリッヒ行こ!」


ということで急遽チューリッヒ行くことにしたわたしたち。

フットワークの軽さが自慢です。


行くとなれば観光に割ける時間は多い方がいいので早速向かいます!

リヒテンシュタインは運転しだして3分でもう抜けて速攻スイスに入国です!
国を横切るのに20分ぐらいです! ちいさい!
 

スイスに入ってからビュンビュンチューリッヒを目指します。

この高速道路がまた景色が良い。

アルプスを望みながら、平原の中の高速道路を駆け抜けるわたしたち。

いい気分のわたしたち。

道中、湖とかもあって、景色抜群です。

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そんなこんなでチューリッヒに到着。 

チューリッヒはまったくのノープランやったんで何を見ればいいのか謎でしたが、

大聖堂見て、なんか時計台見て、教会見て、湖見て、なんかそれなりに楽しめたわたしたち。


3時間ぐらい観光して本日の宿、オーストリアのブレゲンツに移動します。


ビュンビュン。


ブレゲンツはオーストリアの一番西の果てにある町で、湖の近くにある町です。

ついたときは夜の8時で、晩飯を食いに町に繰り出そうと

ホテルのおねえちゃんにどこに行けばレストランがあるのか聞きます。


おれ「この辺でレストランとかってありますか?」

おねえちゃん「あるわよ!このホテルの前の道をまっすぐ行けば町の中心だから、

そこに行けばいっぱいあるわよ!」
 

なるほど、じゃあそこ行こ。


奥様と二人で何食べよかと言いながら歩いていると、中心につきました。


なるほど、ここが中心か。

レストランを探してあるくわたしたち。


10分後、わたしたちは気付きました、


この町にはレストランがないと。


 

この町にはレストランなどありません!


金曜の晩やのにやってないとかことはないと思うので、

きっとないんです。

それか素人には見つけられないぐらい難関かどっちかです。


困ったなーどうしよかなーと歩いていると、開いているお店を発見!

名前が「Running Sushi Tokyo」です!

まさかの回転寿しを見つけました!

 

しかも食い放題2000円という海外で寿司を食べるならリーズナブルな価格。

もうどうせ食べるとこないんでここに入る私たち。


おー! 確かに回転しとる!すごい!

すごいけど、寿司はサーモンとカニカマ巻きだけであとは全部中華料理です!

とんだなんちゃって寿司屋です!


看板にあったまぐろと穴子の写真はなんやねんと。

この回っとるチャーハンはいったいなんのつもりやねんと。

そんな寿司屋でしたが、 サーモンばっかり10皿ぐらい食べました。

サーモンおいしい。


この回転寿司店のすごいところは、 レーンが上下の2段になっていて、

上段はかなりあったかく保温されていて、中華料理がいつでもホカホカで食べられます。

下段はシャッターがついていて、中は保冷されていて寿司が傷まないようになってます。

保冷は衛生面での配慮だと思いますが、 保温していつでもできたてのおいしい中華料理が

食べられるようにという配慮に、 中国人の食へのこだわりが垣間見えます。


まぁとにかく食べてホテルに帰って寝ます。


次の日はホテルを朝7時に出て、 今日こそリヒテンシュタイン城へ!!


高速もないドイツの田舎道をひたすらに走ること2時間、 きたぁぁぁぁぁ!!

これがリヒテンシュタイン城です!!! すげぇぇぇぇぇぇぇぇ!!

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切り立った崖ギリギリという立地! 雰囲気のある外観! 橋でないと入れないその感じ!下を流れていく雲!

周囲の山とのコントラスト! どれをとっても完全に物語の世界です! えぇわー。


中にはガイドツアーでだけ入れます。

内部は写真撮影が禁止だったので、写真はないんですが、

センス良くまとまった室内と装飾は雰囲気があってよかったです。

なにより、窓から見える景色が絶景です。 早起きして来てよかったです、リヒテンシュタイン城。

ドイツにあるリヒテンシュタイン城。

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さ、リヒテンシュタイン城が無事見れたので、次の目的地を目指します。


本日の次の目的地は、これもまた城なんですが、

今度はシンデレラ城のモデルになったノイシュヴァンシュタイン城です!

これもドイツにあります! ドイツには城がいっぱいあります。

リヒテンシュタインには一つだけ城があります。

そしてそれはファドゥーツ城で、リヒテンシュタイン城じゃないので注意してください。

いやいや、もうわかったからと思っとると思いますが、

間違えるとひどいことになるので、あと100回注意してください。


車で2時間ほど移動すると、 見えてきました!


途中もとんでもなく景色がきれいなところがざくざく出てきます。

しかも、「このアングルで写真どーぞ」みたいな誘導まで。

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奥様は別アングルでとりましたが、なんだかも絵画みたいなかんじです。なんやこれ。本物かな?


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そしてさらにちょっと走るとまたこんな絶景が。落ち着いて走れませんゎ。


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なんだかんだでようやく到着、これがノイシュバンシュタイン城ですわ!!


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ほー。雰囲気ありますわ。

 

リヒテンシュタイン城はなぜか観光客が3組ぐらいしかおらへんかったんですが、

こっちの城は人が溢れ帰ってます。

2時に着いたのに、入場が最速で4時半とか言われます。 なるほど、暇や。

暇な間にすぐ近くにあるバイエルンの王族たち博物館に行きます。

さ、ここからは芸術担当の奥様に交代します!とぅ!



とぅ!芸術担当の奥様です!


ノイシュバンシュタイン城のちょっとした紹介をして

この長い回を終わらせたいと思います。


中も外も中世っぽい雰囲気をぷんぷん漂わせていますが、

ルードウィッヒ2世というこの地方の王様が中世時代が好き過ぎて

19世紀後半につくったものなのです。

マニアック度全開なので23年ぐらいかかりました。


外観は見る角度によって同じ城と思えないぐらい違った雰囲気なのです。

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中はそれはそれは美しいのですが、残念ながら写真禁止なので

おみせできません。

写真禁止区域はいる直前の一枚はこちら。お城から見える風景も完全に絶景です。DSC00293















このお城はめちゃくちゃお金持ちのマニアックで引きこもり気味な人が

自分の妄想に任せてめちゃめちゃこだわって作ったものです。

完全に自分のための自分ワールド。

好きな動物が白鳥なのでカーテンの模様が一貫して白鳥柄とか。


ルードウィッヒ2世は現実の世界が辛過ぎてだんだんと引きこもりになり、

「精神病」と認定されて退位させられ、その後、湖で謎の死をとげるのですが、

自分が死んだらこのノイシュバンシュタイン城を破壊せよ、と言い残していたそうです。

人にはみせたくない自分ワールドだったからでしょうね。


遺言とおりに破壊をされなかったおかげで今その美しさを楽しめるわけですが。


一見の価値、おおいにありなのでぜひ一生に一度はどうぞ!