その2の続き。

クロイツベルグの物件1

さて、クロイツベルグで物件探してみます。
前回の終わりでも書きましたが、
クロイツベルグはエリアをちゃんと選ばないとエラい目にあいます。

だいたい、西から東に向けて行くに連れて
道が汚くなって、
落書きが増えて、
家賃が安くなって、
タトゥーしとる人が増えて、
タトゥーの面積が増えて、
タトゥーのデザインに理解が及ばんくなって、
なんか夜出歩きたくないなーという雰囲気になり始めて、
ドラッグ要りませんかって言われ出します。

そうなっていくんですが、それと引き換えにベルリンっぽい味が出てきます。
ベルリンに住んでるわーという感じです。

正直、子どもがいないのであればクロイツベルグの東側に住むのはおもしろいんちゃうかと思います。
なんというか、波は高いけど乗りこなせる人には良いエリアやと思います。

でもさすがに赤ちゃん連れて歩くには適してるとは言い難いので、今回はパスです。
来世で子どもできる前のタイミングでベルリンに来てそのとき住みます。今世はパスです。


で、クロイツベルグの西側ですが、
特に南側のエリアはかなりおススメで、
お店も多くて、街もきれい、それでいてセンスはちょっと東っぽい、大きい公園も近くにあるということで
正直めちゃくちゃ良いエリアです。
僕はみんなに大人気のプレンツラウアーベルグよりこっちの方が良いと思ってます。

そんなエリアで物件を見つけたので行ってみました。

今回の物件は、何やらおもしろいエリアにある物件で、
なんと元ビール工場だったエリアを再開発した物件で、レンガ造りの建物です。

そんな物件に集まった気になる競合の人数ですが、

5人!!

なんとたったの5人です!

勝った!
もう勝ったみたいなもんです!



人数の少なさにニンマリしながらの内覧です。
中もけっこう広く、めちゃくちゃきれいです。
文句があろうはずもないです。


どうやら集まった残りの4人も外国人のようで、
しかもなんとドイツに来たてのようでSCHUFAの存在も知りません!

え、マジでこれ勝ったやん。
と思いながら、
ニンマリを通り越して勝利を確信した笑顔のまま部屋を後にしようとしたときに
僕は見てしまいました...。
10人を軽く超える次の内覧グループが入れ替わりで入ってくるのを...。


彼らが見た僕の表情は笑顔ではなく般若やったことでしょう。


そしてここもダメでした!





クロイツベルグの物件2


さてさて、前回のはビール工場の跡地をリノベーションしたとかいうオシャレ物件でもあったので、
まぁそら人気もあるんやわなということで、
今回はごく普通の物件を見つけていくことにしました。

集合場所にいくと、なんと4人!4人しかいません!

もう展開いっしょなんで内覧の詳細は省きますが、
不動産屋さんが「明日も内覧あるんで、その人たちも含めてその中から...」って言うてたあたりから記憶がありません。
気が付くと次の物件を探してました。

クロイツベルグのこのエリアは物件があまり出ておらず、
これ以外にも2つほど行きましたが、内覧に来ている人数は自体は少な目なんですが、それでもやはり全部アウトでした。



シャルロッテンブルグの物件1


さて、次はエリアを変えてシャルロッテンブルグです。
シャルロッテンブルグは旧西ベルリンの中心的エリアで、
街全体がめちゃくちゃきれいで落ち着いています。
落ち過ぎてるあまり、人によってはおもんないとも言われるエリアです。

クロイツベルグの東側と真逆で、
道がきれいで、
落書きなんかなくて、
家賃は多少高めで、
タトゥーしとる人はあんまおらず、
おじいちゃんおばあちゃんをみかけることが増えて、
そして地味に英語が通じないお店が増えますし、まずドイツ語で話しかけてきます。
あと宮殿があります。

やっぱベルリンに来ている外国人は若い人が多くて、
若い人は東に住む傾向がありますね。
シャルロッテンブルグではまずはドイツ語で話しかけられますが、
ベルリンの東のエリアではもうドイツ語で話しかけられることすらないです。

そんなこんなでシャルロッテンブルグは家族向けの落ち着いたエリアです。

安心して子育てできる雰囲気ですし、
おそらく、海外初めての日本人の方でも抵抗なく住めるエリアなんじゃないかと思います。


そんなエリアで物件を探したところ、ちょこちょこ見つかったということで、
いつも通り見学に向かいます。


この日の見学は土曜の朝11時半開始とのこと。
11時25分の段階で、3人集まりました。

不動産屋を待つ間三人で何気なく会話していると、お互いの素性が見えてきます。
1人はドイツ人の学生。
1人はデンマーク人のテレビリポーターでした。

正直ちょっと家賃高めの物件やったので、学生はアウトなんちゃうかと。
もう1人のデンマーク人の方も、
次の月からベルリンに住むことになるので物件を探しているとかで、
SCHUFAなどの書類もないし、こちらで銀行口座すらないので、
「今度こそこれおれの勝ちやろさすがに!!」
「よっしゃ!不動産屋早く来い!おれに申請書を書かせろ!」
と思って待ってました。

で、結論から言うと、1時間待っても不動産屋は来ませんでした。

なんでやねん!
しっかりせぇよ!!




ぉおおおおおいよぉぉぉぉぉ!!!!



来てくださいぃぃぃっぃぃぃぃ!!!!




僕も叫んでますが、
なんとデンマークの方はこの見学のために朝飛行機で来たとかで、
2人で物件の向かいの喫茶店でお茶をしながら不動産屋の遅れての登場に一縷の望みをかけながら、
「おかしいね」
「デンマークは女性進出がすごいね」
「誰も来ないね」
「デンマークは社会福祉が手厚いね」
「つらいね」
「行き過ぎたフェミニズムは危険だね」
「まさか夜の11時半かな?」
「日本は従業員をあまりにもクビにできない法律と年齢に比例する給料体系というものが周り回って逆に自分たちの首を絞めていることに気付いていないんだね」
という話をして、諦めて、解散しました。


ちなみに、不動産屋にすっぽかされるのは、結果的にはこれだけではなかったです。
だいたい、10件に1回ぐらいありました。

この業界は今もう超売り手市場過ぎてこんなことは日常茶飯事らしいです。


結局この物件は次週に内覧がひらかれ、応募はできました!
応募した人数は聞くところによると2人ということで勝てるかと思いましたが、
なんと2人とも断られたようで、また広告が再掲載されていました...。
何が、一体何があかんかったんでしょうか...。


ぐぐぐ...。




プレンツラウアーベルグの物件10


さて、急にプレンツラウアーベルグに戻って来ましたが、
これには理由があります。

実は、ここまで物件探しは全部自分で全部やってきた感を出してましたが、
実際はエージェントを雇って動いてもらってました。

・言葉の通じないハンデを埋めたい
・外国人なのでいいようにやられた契約を結ばされても気付かないというトラブルを避けたい
・全体の手続きが全くわからん
・家族でなんの憂いもなく安心して住みたい
などなどを考慮して雇うことにしました。

特に2つ目ですが、
僕の知り合いは「大家が出て行けと言ったら2ヵ月以内に出て行くこと」という契約が入っていたことを知らずに契約してしまい、
大家さんに追い出されてしまいました。

こういう不安に怯えるぐらいならお金払った方がえぇと思いました。


僕が雇ったエージェントは、
物件も見つけてきてくれるし、
一緒に内覧にも来てくれるし、
連絡のやり取りも全部してくれるし、
書類の申請とかも全部やってくれるし、
契約書のチェックなんかもやってくれるというエージェントなんですが、
自分で物件を抱えていないという本当に一緒にやってくれるだけのエージェントで、
これは雇ってから気付いて若干失敗したと思ってます。

とはいえ一方でそれでよかったような気もしていて、
というのも、日本のような物件を紹介してくれる不動産会社に頼むと、
手数料で家賃の2.38か月分を取られるらしいんです。

2.38は結構な金額ですよ。

仮に10万円の家として23万8000円ですよ。これはけっこう高い。

しかも、日本の不動産会社と違って物件を横で共有していないので、
どんな物件が出てくるかは不動産会社次第です。
不動産会社は契約が決まったときしか報酬は請求できないとはいえ、
実際は詐欺じみた業者も多いようで、
先に報酬の支払いを求めたりするところも多いそうです。

そんで、僕ら外国人はあの手この手でハメられてようが気付くことすらできないんです。

友人の紹介などで信頼のおける不動産屋を紹介でもしてもらわない限り、
ドイツ来たばっかで法律も知らずドイツ語も喋れないままどうにか対等に渡り合おうというのはどだい無理な気がします。

そして、友人に信頼できる不動産会社を紹介してもらって、そこが良い物件なかったら結局また他の不動産屋に頼まないとダメなわけで、
結局そこは信用できるかわからんとなると最初の話に戻ってくるわけです。



僕の雇ったエージェントは、勤めている会社の紹介のエージェントで
内覧は5回まで同行してくれるという制限付きで、「これは!」という物件以外は結局一人で行くことになりましたが、
他の書類の準備や先方とのやり取りは物件が決まるまでどれだけお願いしても良いという契約でした。
これで料金は13万円ぐらい。

物件持ってないので確証ないのに13万というのもまぁまぁ高いですが、
結局パブリックビューイングになる前にプライベートビューイングとして割り込ませてくれるようなコネは持っていて、
コネは不動産会社をまたいでいるので、結局こっちの方がえぇやんとも思いました。

ただ、誤算やったのは、
僕が住みたいとターゲットにしていたエリアはベルリンを歩き回って厳選したエリアで、
当然のように競争が激しくて、エージェントのコネが通用するような物件がなかなかなかったということです。

それで、エージェント雇ってない人と同じくパブリックビューイングにひたすら行くことになってしまっていました。


まぁまぁそんなこんなで、
僕の方がネットで探しものするのがうまいので、
日々ネットで物件を見つけてはこのエージェントに送り続け、
エージェントが先方に連絡を取るという流れでやっていたんですが、
ある日プレンツラウアーベルグのドンピシャエリアでこのエージェントがコネでプライベートビューイングを持ってきてくれました!

やるやんけ!早速行くで!ということで、お部屋の見学に向かいます。

お値段もエリアの割に手頃というかむしろ安く、
家は新築同様で洗濯機も最初からついていて、小さい庭付きという物件で、
これで応募しないやつはもうシンプルにバカタレです。
僕はバカタレではないので応募しました。



いやーついに来たな。

だってプライベートビューイングやもん。他に誰もおらへんねんもん。おれにならざるをえんやろ。

と思って次の日笑顔で仕事に行ってると就業中にエージェントからメールが入って落選が通知されました!!

なんと、僕のあとに他のコネのあるエージェント経由で別のドイツ人が見にきて、
そのドイツ人もバカタレではなかったようでちゃんと応募したらしく、
そちらにすることにしたとのことでした。

コネのダブルブッキングでした。

これには参りました。

さすがの僕も心から心が折れました。



シャルロッテンブルグの物件2
ちょうどこの心が折れた日の週末に日本に帰って出産に立ち会って来ました

奥様がいろいろ詳しく書いてくれてますが、
本当に難しいお産で、奥様はよく頑張ってくれたなと思います。

そんな奥様や産まれてきた息子を見ていると、
家族を万全の状態でお迎えできるように、
これはもっかいしっかり気合入れて家を探さなあかんなと、
そう思いなおしてエージェントともう一度戦略を練り直したところ、
エージェントから出てきた意見は、
「今まで1LDK の物件を狙ってきたけど、ドイツでは子供がいるなら例え赤ちゃんだろうと一部屋用意するのがふつう」
「給料がどうとか試用期間がどうとかっていうよりも、この人たちすぐに出て行ってしまうんちゃうかと大家さんが心配するから選んでもらわれへんのやと思う」
「もちろん2LDKになるとその分家賃は高くなるけど、エリアとかその他の条件を緩めて探す方向に切り替えた方がいいと思う」
とのことで、ドイツ人がそう言うならそうしてみるかということで、
日本にいる間から新しい条件で物件を見繕って、
帰ってきた週は7日中5日物件見学に行きました。

そのうちの1つがシャルロッテンブルグのこの物件です。


ここはエージェントのコネがあったわけではないのですが、
どうも僕たちが一番にコンタクトが取れたらしく、
しかも物件を管理している不動産屋側の方針で、
一番に連絡のあった人をまずプライベートビューイングに案内して、
双方が合意に至らなかった場合は次のプライベートビューイングを設定して、
という風に進めているとのことでした。

実は物件探しを大量にしていくうちに、
内覧の日付を書いていない広告の場合、先着で連絡のあった10名ぐらいにだけ返事をして内覧を設定して、
それ以降の連絡はガン無視するということがけっこうあるという法則を掴んでいたので、
じゃあ新鮮な物件情報をなるべく早く見つけようと
朝、昼休み、帰宅後、寝る前と時間さえあればひたすらに探し続けていていました。

その甲斐もあってか、一番になることができたようでした。


内覧に行ってみると、
間取りとしては2SDKの物件で、リビングとして用意された部屋はなかったんですが、
それでも全体で75平米と一部屋一部屋がリビングばりに広く、
またダイニングキッチンも食卓置いてもまだ十分なサイズで、
立地もかなり良く、湖のある大きな公園まで徒歩2分の好物件でした。
リノベーションしたてらしく、新品のシステムキッチンがドカーンと置いてありました。

正直なところ、
「もう屋根と壁があればそれでいい。なんでもいいから住ませてくれ。」
ぐらいまで心は折れてましたが、
かなり良い物件に出会えました。

もちろん断るはずもなく応募して、
次の週にオーナーと契約の日取りを設定して、
ついに今月8月から住むことができました!

とはいえまだ家具もなんもないしインターネットも何もきてないので
そこらへんはせんとダメなんですが、
とりあえず、なんとか家族で住める場所は確保できました。

マジでほっとしました。


ほんまにベルリンは物件探しは苦労するので、
もしベルリンに移住を考えてらっしゃる方は気を付けてくださいね!

物件を探すよりコネを探す方が早いかつ確実かもしれません。

まぁそんな感じで
また生活のセットアップの様子でも書いていこうと思います。
 
でわでわ。