どうも旦那です。

もう10月も終わりですね。
今年も日本はハロウィンで渋谷辺りは盛り上がってるんでしょうか。
ベルリンもいろいろ仮装しとる人がウロチョロしてますが、
意外とそこまで熱は高くない感じですね。もっと荒れとるもんかと思ってました。

単純に寒いから外出たくないんかなもう。
日本人は寒くてもなんだかんだ街に溢れてますが、
ヨーロッパの人は寒いと引きこもって存在を消してしまう傾向にあります。


さてさて、
そんな寒い中でも熱いのが冬のスポーツサッカーでして、
特にドイツのプロリーグは観客動員数世界一です。

実は僕は小中高とサッカーをしていて、
社会人になってからも隔週ぐらいでフットサルをしていたんですが、
ベルリンでも何かできひんかなーと思っていると、
ある日同僚から「おれの入っとるサッカーのチーム人足りてないから入ってくれん?」
との お誘いがありました。
試合が近々あるねんとのことです。

けっこうこういうときはノリで返事する僕は
降って涌いたラッキーな話に反射的に「やるわ!」と言いかけましたが、
ドイツと言えばサッカー大国。

おれ(これは生半可な気持ちで入ったらあかんやつかもしれんな...)


僕も今年30歳になりました。
手拍子で返事するノリだけで生きていったらあかんのが30歳です。
即座に「やるわ!」と返事できる若さが求められていた時代は終わったんです。
30代に求められるのは、落ち着いて、全体感を見て、そして判断できる能力です。

詳細を聞いてからにしないとえらい目にあるかもしれません。
確認しましょう。そうしましょう。それがいい。


おれ「どれぐらい真剣なやつなん?」

同僚「ちゃんとリーグに所属しとるで」
同僚「去年6部から5部に上がって、今年は4部目指すで!」


なぬっ?リーグ?4部?5部?


4部とか5部って、完全なプロではないものの、
サラリーマンしながらサッカーしている人達の、いわゆる社会人サッカー的な感じ?
それってレベルけっこう高くない?

ちなみにwikipediaによると日本の場合は、
プロリーグ:
1部 J1 (18)
2部 J2 (22)
3部 J3 (16)

アマチュアリーグ:
1部(4部) JFL (16)
2部(5部) 地域別アマチュア1部 (約70)
3部(6部) 地域別アマチュア2部 (100ぐらい?)
4部(7部) 地域別アマチュア3部以下 (多数)
※()内は所属チーム数

という感じのようで、それなりにサッカーしてる人って多いんですね。
ということは5部というのは、
J1から数えて18+22+16+16=72チームが上におる、
逆に言うと72チームしかおらんというポジションです。

それってやっぱハードル高くない?


おれ「え、リーグ?5部?けっこうすごいやつじゃない?」
同僚「いや、地域のアマチュアリーグの5部やから。地域の

おれ(あ、地域リーグの5部か。じゃあ確かにそこまでかもしれんな)
おれ(おもしろそうやし、やるって言うてもえぇかもしれんな)
おれ(あ、でも定期的に練習とか試合入ると週末におでかけとか入れられんくなってまうとあかんな)


おれ「どれぐらいの頻度で試合なん?練習は?無理なときは休んでもいい?」
同僚「試合は隔週に1回ぐらいで、練習は基本無し。みんな全然休むで。」
おれ「へー、じゃあやr...いや待って」

おれ(落ち着け落ち着け、そもそもおれ90分走れへんやんもう)


おれ「おれ90分走れへんでもう」
同僚「大丈夫やで、15分ハーフの30分やから」
おれ「え、ほなやるw...いや、ちょっと!ちょっと待って」
おれ(待てって待てって!結局フルコートやと走る距離が長いから30分でも無理かもしれんがな)



おれ「でもそれでもフルコートでやる体力があるかなーどうかなー」
同僚「いや、7人制でハーフコートやd...」
おれ「やるわ」

やるやる、やります。やりますわ。

その後もよくよく聞くと、
地域のアマチュア5部でハーフコートで試合時間30分。
交代も何回でもOKらしいです。


この地域のアマチュアリーグですが、
それもかなり下位のやつのようで、
まず、wikipediaによるとドイツのサッカーの構造はこうなってます。
プロリーグ:
1部 ブンデスリーガ (18)
2部 ツヴァイテ・ブンデスリーガ (18)
3部 ドリッテ・ブンデスリーガ (20)
4部  5つの地域リーグ(121)

セミプロリーグ:
5部 全国11地域のリーグ(多数)

アマチュアリーグ:
6部以下 めちゃくちゃ多数
※()内は所属チーム数


おもわず6部以下はめちゃくちゃ多数と書いたのですが、
6部以下は
例えばハンブルグ地域リーグだと
このあとに7階層あるので
一番上から見て13部まであって、
それぞれの部に4から66のディビジョン、つまり実際は300ほどの階層になっていて、
なんと全体で4000チームほどが所属しております。

ベルリンは少ないですが、
それでも11部まであって、20ディビジョン、293チームが所属していて、
さらに僕らの7人制リーグはそこからさらに下に行くか、あるいは独立したリーグのようです。

仮につながっているとして、ここから5部あるので、
今僕らのいるのは一番上から数えて16部です。
このリーグは1部1ディビジョンです。

つまり、ここから毎年勝って1ディビジョンずつ上がっていったとして、
ドイツ1部のブンデスリーガに上がるにはおよそ30回の昇格が必要で、
そのころ僕は60歳です!!おじいちゃんです!

ちなみに運悪くハンブルグやと310年かかるので、
「よーし!うちのチームをブンデスリーガにあげるぞー!」と決意してから
ガチで気合い入れても10世代ほどかかる計算になります。
僕はもう言うまでもなくお墓です。
今建てた教会が地元の観光名所になっとるぐらいの年数です。


そらドイツのサッカー強いはずですわ。
日本やと、言うてもアマチュア含めてリーグに入ってるのは数百ぐらいのチーム数ですが、
ドイツやと万のチームがいる構造ですからね。
そこでドイツ1部のブンデスリーガで選手してるってすごいことですね。
そら年俸も何十億なりますわ。


とにかく、僕の入るチームは詳細も何も聞かずにやるわと言うてしまってもよいぐらいのチームのようです。

チームメンバーは全員地元の知り合いが知り合いを呼んで集まったみたいなチームで、
全員ドイツ語しか喋れへんドイツ人で、だいたい14人ぐらいとのことです。

いいじゃないですか!そういう地元感溢れることがやりたいんですよ僕わ!
ドイツ語も始めないとあかんなと思っとったんでちょうどいいです!


同僚にはやるわと返事をして、
選手登録のための情報を送って、
背番号も高校時代の13が空いてるとのことなのでそれにしてもらって、
ユニフォームを作ってもらい、
今年のリーグ戦が開幕したので
早速先々週、そして今週と、試合に参加して来ました!



さて、開幕戦の日。
サッカーコートに向かいます。
コートはベルリンの東の郊外にあって、
ベルリン ユニオンいう2部?のプロのチームのスタジアムのすぐ横にあります。

いつもは、2部リーグとかって聞くと
「なんや2部か」って思ってしまうところですが、
上の構造をもう一度見てください。
僕らが29年連続昇格してやっとなれるポジションに彼らはいます。大先輩です。
2部舐めてました、すいません。


現地につくとコーチが待っていました。
コーチと言ってもチームでうまい人がケガしとって出れないのでコーチ的ポジションでやってるみたいです。
ちなみにこのコーチはちょっと英語が喋れます。

13番のユニフォームをもらいました。

そしてそれを着てチームメンバーにカタコトのドイツ語で挨拶をしていると、
なんと僕以外にも13番がいました。

いや、おらん言うてましたやん。被ってますやん。
コーチによると誰も気にしてないので大丈夫とのことです。


さて、この日の試合は夕方6時からと7時からの2試合で、
5時半に集合してみんなでボール蹴ってウォーミングアップします。

ところがいざ6時になっても試合が始まらず、みんなウォーミングアップを続けています。

あれ、おかしないか?と思っているとコーチが寄ってきて

コーチ「あのーあれやから」
コーチ「1試合目、相手チームがメンバー足らんくて不戦勝やから」
コーチ「6-0で勝ったことになるから」
みんな「ラッキーラッキー!」
 


いや不戦勝て


まさかのラッキーで、2016年初戦の大事な試合を6-0の大差をつけて勝ちました!

ただ、サッカーがしたいです僕は。


そんなこんなでウォーミングアップを続けていると、
今度はちゃんと7時から試合が始まりました。

コーチがごくてきとーにポジションを決め、
僕は右サイドハーフで試合にでました。

いざ試合にでてみると、
30分とはいえ走るのはきつい!

僕は学生時代はけっこう足が速かったので、
ボールを前に蹴って走ってそれだけでどうにかするというプレースタイルやったんですが、
それは体力と筋力があったからできたことであって、
もう全く通用しなくて笑えました。

試合中に、なんかスシィ~!って声を出してる人がいて、
スシってドイツ語でどういう意味やろ、後で聞こうって思ったら
ふつうに寿司のことで、さらにそれは僕のことでした!
名前を忘れてしまって、
でも試合に熱くなっていて、
僕に後ろから指示を出したくて、
それで思わず出たのがスシやったみたいでした笑

こーのソーセージ野郎めっ!


まぁそんあこんなでちょこちょこメンバーと交代しつつ試合をこなして、
またラッキーなことに対戦相手はそんなに強くもなかったので、
無事に4-1で勝つことができました。

2連勝で順調な滑り出しです!


この日のフェイスブックのチームページは盛り上がりました!
「いやー勝った勝った!」
「みんな良いプレーやった!」
「これは優勝あるで!」
「よっしゃ次も勝つで!」

僕もおうちでビールを飲みます。
いやー、勝った後のビールはうまいですね!




さて、2週間後今週末。第3戦、第4戦がありました。

また会場に5時半入りして、
今回は同じリーグの他の試合が行われていたので
敵チームを偵察します。

3試合が行われてたんですが、
勝ってるチーム、強いチームの共通点が分かりました。
ずばり、「構成メンバーが若い」
この1点のみです。

みんなドイツでこんな感じで大人になってもサッカーしようという人たちなんで、
そもそもみんな基礎はうまいんですよ。

となると、やっぱり体力勝負なんですね。若いやつが強いんですね。
ちなみに、うちのチームは平均年齢30ちょいぐらいのおじさんチームです。


さて、そんなこんなで
今回の第一試合目はバリバリ若いやつらで集まったチームでした。
やばい予感しかしません。

まぁほんでいざやってみたら、
あれよあれよとゴールを決められ、
前半終了時でまさかの7-0でした。

というか、2分に1点という驚異のハイペースの失点に、
僕らはもちろん途中で嫌になって数えるのやめてましたが、
審判も
「えーっと、ごめん何点やったっけ?」
「むこうは7点やと思うって言うとるけど、それでいい?」って聞いてくるレベルのフルボッコでした。


サッカーってチームみんなで走らないといけないスポーツですからね。
走れるチームと当たるともうモロにこういうことになってしまうんですね。


後半は1点返したものの、結局1-11で惨敗を喫しました。
ちなみにこれはいまだにチーム内で「1-11やった派」と「いや1-10やった派」がいてはっきりしていません。

前回とはうって変わって、試合後の雰囲気は暗いものです。
しかも、今回の試合でみんな体力がかなり消耗されてしまいました。
守りに徹する試合というのは楽しくないし疲れやすいものです。


おれ(これ、2試合目も厳しいやろなーこの状況では)
おれ(士気もないし、体力もないし)
おれ(2試合目何時からか確認しとこ)



おれ「コーチ、2試合目この後すぐやんな?」
コーチ「あ、あのーあれやから」


コーチ「2試合目のチーム今日来れんらしくて不戦勝やから」
コーチ「6-0で勝ち」



いや、また不戦勝て!
ちゃんと試合しに来いよ!!

どうやらこのリーグはホンマに相当緩いやつみたいですね。


さて、2試合目が不戦勝やったとはいえ、
この日は惨敗も惨敗やっただけに、
フェイスブックは反省会です。

まぁまだ1敗ですからね!
ここから挽回して、
30年後のブンデスリーガ昇格目指して、
まずはこの地域リーグ4部昇格頑張ります!