皆様、こんにちは。
あまりに時間がなかなかとれないので今回の会は夫婦合作でいきたいと思います〜。

奥様からスタートしたいと思います。

ベルリンもよーーーーやく春めいてきました。
冬、長かった!!!

枯葉の間からちょこちょここんな花が顔をのぞかせています。
これだけどでもめちゃめちゃ嬉しい!
何この嬉しさ!
完全に冬にやられている…。
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最近お子さんと公園を歩いてたら、駐輪している自転車が…
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あれあれ??なんか子供シートに…?
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ベビーワールド展に行った時も思ったけど、
子供が装着して人形を持ち運べる抱っこ紐とか
最近のママさん事情をしっかり反映した子供グッズがいろいろあって面白いですね。

最後の余談ですが、最近スーパーで買ったレモン味のアイスクリームを買ったのですが、
これが今まで食べた中で一番のすっぱさ!
レモン感を余すところなく、しっかりと残しています。
私、リピーターの予感。
日本だと特にアイスに情熱はないのですが、
ヨーロッパではみんなのアイスへの思いが強いのですっかり影響を受けてしまってます。

さてさて、本題に入ります!

ウクライナ駐在中の同期が遊びに来てくれました。
同期もブログをやってるのでよかったらこちらでどうぞ

ウクライナに住むうちにすっかり社会主義ブロックの国々に
興味を持ったとのことで、今回も一緒にいろいろ巡りました。
ベルリンの壁博物館とかイーストサイドギャラリーとか
第二次世界大戦で殺されたユダヤ人のメモリアルミュージアムとか。

どれもなかなか充実しているかつ重い内容で、けっこう気持ちはなります。

で、最後に行ったのがこのスパイミュージアム
レポートをするため、写真の許可もばっちり取得(1ユーロ)
写真とっていいよの証でもらったのこれ↓
もう始まってますね、何かが。
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東ドイツはですね、スパイだらけだったんですよ、マジで。

その名もシュタージ。

シュタージの任務は社会主義国家を守ること。
つまり、社会主義の思想に疑問を感じている人とか
アンチ国家的な活動をしている人とか
そもそもあやしい雰囲気をかもしだしている人を
発見してとらえることです。

正式なシュタージの説明が気になる人はこちら

要するに国民の監視がメイン業務ですね。

東ドイツは西ドイツと接していたので余計に資本主義側に逃げやすくて
しっかり見張る必要があったんでしょうね。
ま、人が逃げまくってる時点で体制が何らかおかしいんですけどね。

国民を余すことなく監視するのはなかなか労力のいることで
特に国民の頭の中の監視はさらに大変なので
シュタージの数もどんどん増えていきました。
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最初2000人ぐらいだったのが最後の1980年代後半は8万人以上!

しかもこれはシュタージの正社員だけで、これにプラスで非正規やけど
「協力者」みたいな位置付けの人たちもめちゃめちゃいました。

ベルリンのある地域でこのシュタージがひそんでるポイントをマークした地図がこれ↓
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めちゃくちゃひそんでいる。恐ろしいぐらいひそんでいる。
そして人々をスパイしているんですね。

隣を向けばスパイ、横を向けばスパイ…そんな世界。
現実は小説以上、というのは本当ですね。

結婚式に呼んだ友人が実は自分をスパイしていた、
サッカーチームのコーチがスパイだった、
雇った弁護士はスパイ、
隣のおばちゃんが…自分の夫が…
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これ全部、載ってた例たちなんですが、じわじわっとこわくなりません?

そんなスパイたちなんですが、結局は人間なので
国民を監視したり尋問しているうちに、そっち側の気持ちに染まり…
自分も西側に亡命してしまうなんてこともまぁまぁありました。
西側に脱走したシュタージの数↓
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シュタージがさらに気になってきた方は
映画の名作「善き人のためのソナタ」をぜひみてみて下さい。

考えてみたら、このスパイまみれの世界はたったの30年前まで存在していたわけで
つまりは、今電車で横に乗ってるおじいちゃんとか
公園を散歩してるおばあちゃんとかは、もともとスパイだった可能性もあるわけで
そんな感慨にふけっちゃうこのごろです。

ドイツはこういう博物館ができているからシュタージも
完全に過去になったんだなぁと思うのですが、
そういえば、ロシアではきいたことがないなと。(知らないだけの可能性有り)

つまりロシアではまだ過去になっていないんやなと。
ま、この人が元KGBの時点で過去にはなれんやろな(←KGB=ロシア版シュタージ)
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それでは、続きは旦那さんで(・∀・)つ





はい、旦那です。
なんかスパイ道具の紹介の部分を書く業務が委託されてきたので書きます。

スパイと言えば機密情報の入手、あるいは人の監視ということで、
盗聴、盗撮、家宅侵入、証拠集めと日々大忙しです。しかもバレたらあきません。

そんな日々の業務に使われた道具たちが展示されていたのでご紹介します。

まずは、

ジャン!
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出ました!王道の小型カメラです!
レンズの先にボタンをあしらうことで、
ジャケットの胸あたりに内側から装着しつつ
堂々と正面の様子を盗撮することができます!

賢い大人が何人も集まって真面目に開発した結果がこのボタンやと思うと涙が出ます。


次!

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なにやら怪しいものが二つあるんですが、
まず、左側。

これは針のような筒の先に広範囲のものが見渡されるレンズがついていて、
手紙とかの封筒にちっさいちっさい穴を空けて、
そこにこの器具の先っちょを入れたら中身が見れるという代物です。

そして右のやつはなんと携帯X線発生装置です。
要はレントゲンの要領で箱の中身が透けて見えますという装置なんですが、
当然放射線を使うので被爆するわけなんですが、
「放射線技師資格?被爆?そんな悠長なこと言うとったらいつまで経っても中身わからんのじゃ!」
というスパイの本気度が伝わってきます。

次。

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またしても二つアイテムがあります。

左のやつは、穴から蒸気が発生して糊を緩めて封筒の封を開けることができるという代物です。
普通に一回開けてまた上からもっかい糊をつけたらえぇやんというわけにはいかないところにスパイの細かい仕事ぶりがうかがえます。

右のやつはなんやったか忘れました!
なんかあぶり出したら読める系の文字が読める的なやつやったと思います。


次。

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携帯コピー機というか、写真が撮れるやつです。
撮った写真はこの白いやつの下に貯めて持ち歩けるということなんですが、
皆さん、携帯性が徐々に、しかし確実に失われていっていることにお気付きでしょうか...。

これ携帯しとったら一発でスパイってバレると思いますが、
まぁうまいことやってたんでしょう。プロですし!


はい次。
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これはあれですね、鍵の複製キットです。

緑っぽいところが粘土になっていて、鍵を押し付けると型を取ることができます。
これは携帯性ありますね。よかった。

鍵つながりで、これは鍵開けのためのツール一式。
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いやどんだけツールあるねん。

そういえば、今の家を借りるときに、もし家の鍵失くしたらどうしたらえぇの?って聞いたんですが、
「鍵屋さんに頼んだら普通に開けてくれるよ~」って言われたんですが、
普通に開いていいんでしょうか。

元スパイの再就職先なんでしょうか。 


 さぁ最後。これは道具ではないですが、
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これどういうことかといいますと、
椅子の設計図なんですが、
ターゲットにしたい人をこの椅子に座らせると、
実は椅子の座るところにはバレないように布が挟み込まれていて、
ターゲットの匂いが染みつくので後で犬を使って追跡ができるという仕組みです! 

他にも、じょうろのフリしとるけど人が通りかかったら勝手に撮影するカメラとか、
コンセントの裏に盗聴器が仕掛けられた盗聴器とか、
屋探ししたあとにもとの状態に復元するために作業前の様子を撮っておくポラロイドカメラとか、
もろもろそんなアイテムが展示されていたんですが、
なんかこうして見てみると、けっこう全体的にアナログですよね。

僕らの思ってるような、道具と己の体を駆使してヒソヒソとスパイする、というスパイ像そのものだと思います。


最近、アメリカの国家安全保障局(NSA)が国内、国外の人々の情報を許可なく収集しているということを暴露したエドワード・スノーデンさんの、まさにその告発の瞬間を撮影した「Citizen Four」というドキュメンタリー映画を見ましたが、
最近のスパイは完全にデジタルなようです。

より巧妙に、
より気付かれないように、
しかもデジタルなので、大規模に、素早く、場所もとらずにデータが保存でき、検索も簡単にできる、
そんな情報収集が行われている様子が説明されていて、めちゃくちゃ興味深い映画だったのでよかったら見てみてください。

そこらへんのスパイ映画より、よっぽどスパイ映画でした。

日本への情報収集もかなり行われているようだったので、
もしかしたらみなさんも、もうこんな感じでアメリカにいろいろと盗聴されているかもしれませんね。
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ではでは、シュタージ博物館、気になる人は是非行ってみてください!


後日談○●○●○●○●○○●○●○●○●○○●○●○●○●○○●○●○●○●○

その1

同期の旦那さんがその後調べてくれたところ、写真許可証に
刺繍されているDzierzynski氏は
「秘密警察の父」と呼ばれるソ連の政治家だったんですね。
元祖の元祖です。

その2

実は今回一緒にスパイミュージアムを堪能した同期のお母様は
中国語を研究されていて、1970年代の中国に留学をされていたとのこと。
後日、同期がお母様にこのミュージアムについて話したところ、

「私も手紙よくあけられた!たまにヘタな担当者に当たるとしわしわになっているのよ」

とおっしゃっていたそうです。

どの世界にも一流とそうでない人がいるんですね…。

というか、そんなバレバレでいいんでしょうか?
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